

たとえばあなたが、邪悪な魔女の呪術にかけられ醜いガマガエルの姿にされてしまったとしましょう。
「これは仮の姿で、本来は人間だ」
あなたがそう認識するのは当たり前ですよね。
「ガマガエルだという現実を受け入れ、人間に近づけるよう努力して下さい」
などと言われても上の空でしょう。
そのうち呪いが解ければ元の人間の姿に一瞬で戻るわけですから、そこに努力などという概念は存在しません。
…
「柏崎さん、突然なんの話ですか?」
はい。これが「女性性」の本質であり、知っておかなければ痛い目にあうかも…という話です。
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今日の話は先日のコラムの続きです。
■先日のコラム:フロント・ホック・ブラって知ってる?
→http://kxk.jp/ka4wa/3012xoz/
反響が大きかったのでもう少し。
男性性
:問題の解決策を求めている
女性性
:そもそも問題の解決など求めていないし、問題を認識したくもない
という話でしたね。もう少し掘り下げていきます。
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男性性におけるセールスは
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悩みや問題を認識させ
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その解決策を提示する
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当然この流れになります。
・普通のヒゲ剃りだと肌ボロボロになる、けどコレを使えばスッキリです!
・遅いスマホを使ってると機会損失だから、新しい高性能のスマホにした方が良いですよ。
・これからの時代は手に職付けないとマズいよ、だからデザイナー養成プログラムを受講しましょう。
悩みを突き止め、
その解決策を提示する。
普通ですよね。
男性性は解決すべき悩みや問題に対し、努力して成長し困難を乗り越えていきます。
ドラクエの勇者は最初はレベル1で仲間もおらず武器もヒノキの棒ぐらいしか持っていないため世界を救うにはあまりにも非力ですから、レベルを上げ仲間を集め強力な武器を獲得していき、いずれは英雄となり立派なお城で王様に褒め称えられます。
ところが一方、
女性性においては
「悩んでいるはずだ」
その前提自体が通用しません。
というか「そもそも悩んでいない」のです。
今はよく分からないけど仮の姿であり、そのうち呪いが解けて本来の人間の姿に戻れるだろうぐらいの認識なのです。
たとえばボロボロの服を着ているシンデレラは「私は本来お城にいて当然なのに何かがおかしい」と嘆いています。悪い魔女の呪いでガマガエルにされたぐらいの感覚なのですから、お城に行くために修練を積もうなどとは1ミリたりとも考えません。
「いやいや、デブに悩んでるからダイエット商品が売れるんでしょ?」
そう思ってしまうのも無理はありませんが、驚くべきことに女性性ではそうとも限らないのです。
控えめに言ってスリムとは言い難い方でも
「何となく違和感がある気がするけど…別に太ってるわけじゃないしすぐ元に戻るだろう」
ぐらいの認識なのです。
え?鏡を見たら分かるでしょって?
いえいえ、我々は鏡を歪ませる生き物なのです。無意識のうちに自分が最もスリムに見える角度で立ち、最も細いパーツである手首を全面に出し、「まあ気のせいか」ぐらいに認識するものなのです。
今ならカメラのアプリの補正が凄いですから尚更認識しづらいですね。
そういう方がダイエット商品を買うのは「デブ問題を解消してくれるから」ではありません。
「このステキな魔法は本来の自分にワープさせてくれる」ぐらいの非常にふわっとした感覚なのです。
だから、今の自分を進化させる手段を提示してもダメです。悩みを突き止め問題の解決策を提示する必要などありません。
「こういう悩みがありますよね?」などとは口が裂けても言ってはいけません。悩みを認識するというのは、仮の姿であるはずのガマガエルという現実を受け入れるのと同義ですから。
それは反射的なNOを招き、私は悩んでない!困ってない!ていうかなんでアンタにそんなコト言われなきゃいけないの!?となるわけです。
そうではなく、まったく新しい人生を生きることを可能にしてくれる運命の出会いを演出し、本来の自分を取り戻せる「ような気がする」と思って貰うだけで良いのです。
この購買原理の違いはショッピングに如実に現れます。
男性性は「カバンがボロボロだから新しいのに買い換えよう」といったように最初から問題の解決策であるコーナーに一直線に進むのに対し、女性性は本来のキラキラした状態に戻してくれる魔法を求めてさまよいます。
お買い物デートで男性がうんざりしがちなのはこのためです。買い物という行為の感覚が根本的に異なるわけです。
そして、女性性は「自分らしさ」とのギャップに常に違和感や欠乏感を感じているため、そのギャップを埋めてくれる魔法に出会うと衝動買いしてしまうのです。
どちらも「理想の状態」を求めていること自体は同じなのですが、
男性性へのアプローチではまず具体的な悩みや問題を明確にしたうえで、そこに解決策を提示することにより理想の状態へ(時には努力して)向かってもらいます。
一方、女性性へのアプローチでは「ぼんやりとした違和感」でしかないことを前提にして、キラキラした理想の状態にワープできると感じてもらえる魔法のようなきっかけを提示することが重要なのです。
このようにして、男性性は「問題の解決」という思考が根底にありますが、女性性はそもそも問題が無いだから解決などという発想もないということを認識していれば、セールスでもなんでもコミュニケーションが大変スムーズになるでしょう。
女性性と接する方はぜひご参考いただければと思います。
また、くれぐれも女性性の相談などに対しては意見などしないことをお勧めします。
彼女らは問題解決ではなく、ましてあなたの意見など求めておらず、ただただ喋ってスッキリ共感して欲しいだけなのですから。
PS.
もちろん全ての女性に当てはまる話ではなく、女性性とはこういうものだということです。全然当てはまらない女性もいれば、逆に女性性の強い男性も少なからず存在します。
あるいは状況によっても認識は大きく変わり、たとえば女性性MAXの女性でも婚活するようになると「ヤバイ!痩せなきゃ!」というように
PS2.
この話をより深く知りたければ
・プリンセスマーケティング
・ネットで女性に売る(1,2)
このあたりを読んでみてください。今年読んだ本の中でもトップクラスに衝撃的で学びになりました。
そして、こちらも多くの方にご覧いただき光栄です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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